【豊洲編】タワーマンションを徹底的に比較してみた(最寄駅からの徒歩)
豊洲駅周辺の大型タワーマンションについて様々な観点から比較してみました。
◆駅徒歩
最寄り駅である東京メトロ有楽町線豊洲駅からの徒歩分数を比較してみました。
(徒歩分数は物件概要に記載されているものです。)
豊洲駅の真上に立地する豊洲シエルタワーが最も近く徒歩1分。ゆりかもめ新豊洲駅川に立地し、豊洲駅からは最も遠いベイズタワー・スカイタワーだと徒歩11分となっています。
豊洲駅周辺の物件についてはマンション自体設備グレードによって決まる要素が大きく、徒歩分数が短い=価値が高いとはなっていないことがわかりました。
坪単価は2021年10月竣工予定のブランズタワー豊洲が最も高く1坪あたり400万円程度となっています。
【コラム】買うなら大規模マンション?それとも、小規模マンション? (共用施設)
マンション購入を検討するにあたって、大規模住宅は真っ先に選択肢となります。
なぜか。大々的に宣伝しているから。
駅でも、チラシでも、テレビCMでも見かける、誰でも知っているブランドの建物であればとっつきやすく候補に挙げられます。
果たしてそれでいいのか。宣伝で刷り込まれたイメージ、ブランドの憧れ先行で冷静に検討できていないのではないか。
大規模マンションのメリット・デメリット、小規模マンションにすることのメリット・デメリットを冷静に分析していきたいと思います。
◆その共用設備やサービス、本当に必要?
特に最近の新築マンションでは各部屋の設備だけでなく、共用設備の充実さをアピールポイントとして差別化を図る事例が多くみられます。最近のマンションであれば当たり前となっている、入居するなら必ずあってほしい共用設備もあれば、必要かどうかは住む人の価値観によって分かれる共用設備まで様々です。
<あると便利、必ず欲しい共用設備>
・24時間ゴミ捨て
・駐輪場、駐車場
→これらの設備は最近の新築マンションだけでなく、あらゆるマンションに広く普及している設備となっています。
<なくても困らないが、あると便利な共用設備>
・共用ラウンジ
・宿泊用ゲストルーム
・フィットネスジム
・キッズルーム
・ パーティールーム
・図書室・スタディルーム
→なくても困らないこれらの設備、本当に必要でしょうか。
個人的には、なくてもいいんじゃないかと思っています。
①居住者専用であっても、全員が活用するには設備が少なすぎる
例えば、宿泊用ゲストルームの場合、数百戸のマンションで3部屋。フィットネスジムもランニングマシンが5台とか、その程度しか用意されていない場合がほとんどです。仮に使い勝手が良い設備でも、住人同士で予約の取り合いですり減っては意味がありません。
②そもそも、大した頻度で使わない
例えば、屋上にスカイビューラウンジが設置されている場合、景色が見たいとおもってわざわざ上階まで登ることがあるでしょうか。暑すぎても寒すぎても使えず、雨天時には使えません。バーベキューなどは当然禁止、花火大会などでは入場制限がかかることがあるなど使い勝手は良くありません。眺望は共用設備でなく、自分の住居そのものに組み込まれているほうがよっぽど良いです。
【結論】共用設備でなく、近所に同じような設備があればいいのでは?
共用設備は使い勝手もよくない、使う頻度も低い設備も多い、となればマンションに組み込まれていなくても近所に同じような設備があれば十分ではないでしょうか。
例えば、ジムであれば設備の充実したフィットネスジムの月額会員になるほうが充実したトレーニングができるでしょう。スカイビューラウンジがなくても、近所に快適な公園があれば、そのほうが満足度は高いと思います。
【コラム】買うなら大規模マンション?それとも、小規模マンション? (管理費・修繕積立金)
マンション購入を検討するにあたって、大規模住宅は真っ先に選択肢となります。
なぜか。大々的に宣伝しているから。
駅でも、チラシでも、テレビCMでも見かける、誰でも知っているブランドの建物であればとっつきやすく候補に挙げられます。
果たしてそれでいいのか。宣伝で刷り込まれたイメージ、ブランドの憧れ先行で冷静に検討できていないのではないか。
大規模マンションのメリット・デメリット、小規模マンションにすることのメリット・デメリットを冷静に分析していきたいと思います。
◆管理費・修繕積立金は持続可能か
マンションを購入しようとモデルルームに行くと、販売担当者から必ずといっていいほどいわれるセリフ
「多くの世帯が住むマンションは管理費を抑えながら充実した共用設備が備わっていることが特徴です」
これは間違っていません。都心にありながら月1~2万円程度の管理費で24時間ゴミ出し、スカイビューラウンジ、ジム、コンシェルジュサービスなどを受けられることは大規模ならではの魅力。
問題はそのサービスがその金額で持続可能か、ということ。
管理費は当初設定金額が永続するわけではなく、値上げが十分に起こりえます。
修繕積立金についても同様です。当初の金額が低く抑えられていたとしても、築年数が経過すればマンションの状態も変わってきます。大規模なマンション、共用設備が豪華なマンションであればあるほど、必要な管理費、修繕費は嵩んできます。
(参考:国土交通省 マンション総合調査)
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr5_000023.html
マンションを購入するにあたっては、将来的な管理費・修繕積立金の増額については不確定要素が多いことを十分理解したうえで決断するべきといえます。
ネガティブな側面ばかり書きましたが、大規模マンションでも管理組合がうまく運営して管理費の値下げに成功した事例もあります。「プラウドタワー東雲キャナルコート」が有名な事例です。参考記事→https://diamond.jp/articles/-/230840
住民が協力して知恵を出し合い、暮らしやすい住環境を目指しててをと手を取り合うことは、管理費・修繕積立費のことに限らず求められるということですね。
【3棟目】ブランズタワー豊洲
ブランズタワー豊洲
【総戸数】1152戸
◆資産価値 23/30(配点=30点)
・ブランド
・災害耐性
沿岸のタワーマンションについては共通して言えることかもしれませんが、埋立地である以上は液状化の懸念は残り、減点ポイント
(参考:東京の液状化予測図 平成24年度改訂版 http://doboku.metro.tokyo.jp/start/03-jyouhou/ekijyouka/layertable.aspx)
◆コストパフォーマンス 13/20(配点=20点)
「豊洲」、「タワーマンション」という2点はメリットにもデメリットにもなるポイントとして好みが分かれるところ。豊洲地域開発黎明期に販売されていたタワーマンションと比べると値上げされている感じは否めないですが、東京都心までのアクセスの良さと最多販売価格帯7,000万円というのは高過ぎとはいえないと思います。
◆立地・交通アクセス 17/20(配点=20点)
東京メトロ有楽町線「豊洲」駅より徒歩4分(高層棟入口まで5分)
新交通ゆりかもめ「豊洲」駅より徒歩4分(高層棟入口まで4分)
タワーマンションを出るまでの時間を+5分と考慮しても10分以内で有楽町線に乗れる好立地。
技術点=53/70
◆住宅設備・共有設備 19/20(配点=20点)
新築タワーマンションであるだけに、共用設備の充実度は完璧。
33階にはスカイビューラウンジ。他にも、パーティールーム 2室、ワーク&スタディーブース パーソナルルーム2室、キッズルーム 、フィットネスルーム、 コワーキングルーム 、ランドリールームetc..
◆住宅としての魅力 6/10(配点=10点)
豊洲を含む東京湾岸地域、豊洲駅周辺に限定しても似たようなタワーマンションはかなりの個数が供給されています。今後も相当数が供給されていくでしょう。資産価値という観点からも、少し割高で敢えて新築タワマンを選択肢に入れるほどの際立った魅力を感じられませんでした。
芸術点=25/30
総合得点=78/100
【2棟目】プラウド中目黒
プラウド中目黒
【所在地】東京都目黒区中目黒4-709-7他(地番)
【総戸数】106戸
◆資産価値 26/30(配点=30点)
・ブランド
西武建設は西武グループのゼネコンでマンションの施工実績も豊富
・災害耐性
高台ではありませんが、目黒川氾濫を想定したハザードマップからもかろうじで被害の地域からは外れています。
【参考:目黒区水害ハザードマップ】
https://www.city.meguro.tokyo.jp/kurashi/anzen/bosai/type/ooame/map.html
この地域は液状化危険地域からは外れています
(参考:東京の液状化予測図 平成24年度改訂版 http://doboku.metro.tokyo.jp/start/03-jyouhou/ekijyouka/layertable.aspx)
資産価値上の懸念は、山手通り沿いで窓を開ければそれなりに騒音があること、
通り沿いに同クラスの 住宅供給が比較的多く、価格的に競合することが考えられます。
◆コストパフォーマンス 8/20(配点=20点)
中目黒という立地、プラウドというブランドを考えれば当然といえば当然ですが、価格帯は高めに設定されています。中目黒駅からそれなりの徒歩距離もあることを考慮するとややコストパフォーマンスは劣るかと思われます。
◆立地・交通アクセス 14/20(配点=20点)
・中目黒駅まで多少歩くとはいえ、目黒川の桜並木まで徒歩1分。魅力ある立地であることは間違いありません。
・目黒駅までの距離も1.5km、徒歩で16分とアクセス可能な範囲(坂道はありますが)
技術点=48/70
◆住宅設備・共有設備 18/20(配点=20点)
住宅設備は最高峰。
オートロック、宅配ボックス、24時間ゴミ出し可能は当然。
大規模住宅ではないため共有設備は最小限ですが、ルーフトップヤードはプラスポイントだと思います。
◆住宅としての魅力 7/10(配点=10点)
中目黒駅最寄の好立地、プラウドブランドの充実した設備は申し分ないとはいえ、周辺の築浅マンションと比べて今一つ際立った個性を感じず。
芸術点=25/30
総合得点=73/100
【1棟目】パークタワー晴海
パークタワー晴海
【所在地】東京都中央区晴海2-104(地番)、東京都中央区晴海2-2-42(住居表示)
【総戸数】1076戸
◆資産価値 20/30(配点=30点)
・ブランド
デベロッパー→三井不動産、施工→大林組、と一流ブランドで文句なし
・災害耐性
頑健に施工されているとはいえ、埋立地である以上は液状化の懸念は残るため減点ポイント
(参考:東京の液状化予測図 平成24年度改訂版 http://doboku.metro.tokyo.jp/start/03-jyouhou/ekijyouka/layertable.aspx)
◆コストパフォーマンス 15/20(配点=20点)
坪単価は近隣の同クラスのタワーマンションと比べても割安に感じられます
現在のところは発展途上の地域ですが、晴海地域全体の将来性を見込んで買うならばお買い得とも考えられるかもしれません。
◆立地・交通アクセス 7/20(配点=20点)
東京メトロ有楽町線・都営地下鉄大江戸線「月島」駅より徒歩12分
東京メトロ有楽町線「豊洲」駅より徒歩15分
都営地下鉄大江戸線「勝どき」駅より徒歩15分
JR山手線「東京」駅八重洲口よりバス約25分、「晴海一丁目」バス停下車徒歩4分
・最寄り駅からは徒歩だとかなりの距離を歩くことに。竣工時点では周囲に商店街などもないため、何もない道路を歩くことになり体感は物件概要の表示よりも遠く感じました。
・晴海地域から東京駅までを移動するバス網の整備がされるようですが、正直なところ使い勝手の良さは未知数なのでなんとも評価ができません。BRTバス停が最寄であることがメトロ駅最寄よりも便利なのかというと疑問。
(参考:都心と臨海地域とを結ぶ東京BRTについて)
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kiban/brt/index.html
技術点=42/70
◆住宅設備・共有設備 18/20(配点=20点)
住宅設備は最高峰に充実している。
オートロック、宅配ボックス、24時間ゴミ出し可能は当然。
キッズスペース、フィットネスジム、コンシェルジュサービス、建物周辺の植栽にもこだわりが感じられる。
間取りをご覧いただくとわかるように、一般的な住宅と比べても備え付けの収納スペースが極めて充実しており、文句のつけようがない。
◆住宅としての魅力 8/10(配点=10点)
住所は中央区とはいえど、晴海フラッグの竣工もまだまだ。周辺は殺風景で、地域が賑わうのはこれからといったところ。
芸術点=26/30
総合得点=68/100
【はじめに】 レビューの基準
関東近郊の新築マンションを中心にレビュー
主な想定読者は独身・カップルで次に住む場所を悩んでいる、これから家族が増えてライフステージに合わせた住居への引っ越しを考えているファミリー
フィギュアスケート風に技術点70点・芸術点30点の計100点満点で採点
<技術点>
合計配点=70点
技術点では数値化可能な要素を点数化
・資産価値(配点=30点)
・コストパフォーマンス(配点=20点)
・立地・交通アクセス(配点=20点)
<芸術点>
合計配点=30点
芸術点では数値化が難しい魅力を点数化
・住宅設備・共有設備(配点=20点)
・住みやすさ (配点=10点)
※結局のところ好みはひとそれぞれ、芸術点はあくまで筆者の好みに基づいた個人的な判断となります